自作自演


最近、春日部交響楽団の演奏会にエキストラとして行ってる。
なんでも、オーボエの人が病気がちなので人が足りないので来てくれ、て感じで、先輩からの紹介で行った。指揮者の人が編曲した珍しい曲をどんどんやってるので結構いい感じ。よく分からないが草原的なものがテーマらしく、ベートーヴェン交響曲第六番「田園」や、スッペの「詩人と農夫」、フォスターの「草競馬」など、なんか草っぽい感じの曲を6曲ぐらいやる感じ。モンゴル民謡やロシア民謡なんかもあった。春日部という街と妙にマッチしている感じでなかなか良い感じだと思いました。


で、今日行ったら、病気がちなオーボエの人が復活していた。
つまり、俺はお払い箱なわけだが何故かそのままエキストラとして参加という運びになった。どうやら病気がちな人をアシにする、とのこと。よく分からないが・・・


ちなみに、そのオケのオーボエパートは綺麗なお姉さんが一人と、おっさんが一人。
話を聞く限りではおっさんの方が病気がちらしい。綺麗なお姉さんの方は多分健康。
でも、医者にとめられてるんだよー、とか言いながらキャスターの1mgのやつを吸ってた。大丈夫なのだろうか・・・?手術が必要とかも言ってたけど・・・。本当に大丈夫なのだろうか・・・?まさか、本番までにおっさんが演奏不可能になるようなことがなった場合のために、オーボエ奏者を一人入れて念のために保険をかけているのではないだろうか・・・?編成的にもそんな空気が漂ってるし。お姉さんとおっさんは全乗りじゃないのに、何故か俺だけ全部2ndで全乗りという逆転現象が・・・すごいところに来ちゃったなー。


でも、もっとすごいと思ったのは、お姉さんもおっさんもめっちゃオーボエ上手い、ってこと。すごい。マジヤバい。エキストラいらないじゃん。てことはやっぱ俺は保険なのでは(以下略)


で、更に更にすごいと思ったのは、病気がちなおっさんのオーボエは、なんと「自作」だということ。つまり、自分で自分のオーボエ作っちゃったんですおっさん。


某「J」というオーボエを製造している会社(おっさん曰く「企業秘密」なために名前は敢えて教えないけど、オーボエ奏者ならすぐに分かるだろうな。だって日本のオーボエ専門メーカーなんて一つしかないもんね)が埼玉の東松山にありまして、その工場で自作した、とのこと。


だから、正確にはJ社のオーボエを使ってる、ってことになるが・・・
しかし自作て。パソコンじゃないんだから。
あ、でも自作の方が安く済むのかなー。5万ぐらいでそこそこのスペックのパソコンが自作できるみたいに。部品代だけで済むから10万ちょいで・・・いや、無理かなぁ。


吹かせてもらったけど、普通のオーボエと変わらない。
むしろ、俺のより使いやすい気がした。俺のオーボエよりちょっと丸っこい感じの手触りだけどそんなに重くはなく、キィなんかも指で触れやすくしっかりフィット、更にキィの調整もしっかりしていて音程にもブレがない。敢えて不満点を挙げるとすれば、リードを差し込む穴が大きすぎて俺のいつも使っているリードが使えない、ということくらいか。でも、小さすぎるよりはいい。穴が小さすぎると今度はリードが抜けなくなる危険性がある。リードをペンチで引っこ抜くのは危険だ。


でも、自作したってことはもう、本当の意味で、「自分の楽器」だよなぁ。それって。
手にもしっくり馴染むだろうし、後からのカスタマイズも容易だし、修理や調整も自分でできるし。(本当はオーボエ奏者はある程度は自分で楽器の調整や修理ができないとダメだけど・・・オーボエ奏者は演奏者である以前に、修理屋でなければならないのだ!自分のことはしっかり自分でやろう!)